
全国各地で活躍するフジナガ社員たちが、日々の経験から得た知見や業界トレンドを、臨場感たっぷりにお伝えする新企画「現場発!鳥害対策のリアルストーリー」がスタート!
第一回目となる今回は、横浜営業所で所長を務める日高正樹さんにインタビュー。
現在、海外にも鳥害対策製品を販売しているフジナガですが、海外販売にも携わり、海外研修を経験したこともある日高さんが感じた、海外の鳥害対策の現状とフジナガの優位性について語ってもらいました。

横浜営業所 所長 日高正樹さん ( 2012年入社 )
海外研修で感じた海外の鳥害対策意識の違い
日高さんはこれまで海外研修などを経験されたそうですね。
はい。フジナガは本格的に国際的な事業展開を進めており、社員の海外研修にも力を入れています。私はこれまで、ドイツ、ハワイ、韓国、台湾、フィリピンなどを訪れています。
海外の鳥害対策について、国ごとに取り組みの度合いや意識の違いは感じますか?
そうですね、違いは大きいです。
歴史的建造物の多いヨーロッパではほとんどの建物に鳥害対策がなされており、「人と鳥との共生」が実現しています。特にドイツは鳥害対策発祥の地という説もあり、鳥害対策が高度に発展しています。
ハワイは比較的鳥害対策の認知度が高く、研修で宿泊したホテルの周りでも対策がされていました。小さな池があって、おそらくその中の魚を鳥が食べないようにする目的だと思いますが、池全体をネットで覆うという結構大胆な対策でしたね。綺麗に施工されていましたが、端部の処理に関しては…さすがアメリカだなという感じでした(笑)。
一方、東南アジア諸国はまだまだ鳥害対策の認知が低い国がほとんどです。インフラ開発に伴いこれから発展していくだろうと見込んでいます。

なぜ海外でフジナガの製品が選ばれるのか
フジナガでは商社経由で海外に部材を販売されているそうですが、どこにどんな商品が使われているのでしょうか?
最近だと、フィリピンに防鳥ワイヤーを輸出しています。フィリピンでは今、鉄道の再開発計画が進んでいて、鉄道の橋脚にハトが止まらないように対策する目的だそうです。

日本でも高架下や橋脚の隙間の被害は多いですよね。海外でも同じなんですね。
そうなんです。ハトにとってよほど居心地がいいようですね。ハトの糞は酸性なので、コンクリートや金属部分に落ちたハトの糞を放置していると金属や塗装の腐食が進み、建物の劣化の原因となるので対策が必要です。
他にも、ハトの糞を放置しておくと、以下のような事態を引き起こす可能性があります。
- 見た目の悪さや糞の臭いによる不快感が生じる
- ゴキブリやハエなどの害虫が集まり不衛生になる
- 糞に含まれる菌やウイルスにより感染症などの健康被害が生じる可能性がある
- 糞の放置により「ここは安全な場所だ」と認識されハトが住み着く一因になる
フィリピンの橋脚への鳥害対策にフジナガの商品が選ばれたのはなぜでしょうか?
今回、その施工を担当していたのが、日本の大手建設会社で、弊社が国内でその建設会社の仕事を受注している横のつながりがきっかけでした。フィリピン側から鳥害相談を受けた際に「じゃあフジナガの商品を紹介しよう」となったそうです。ありがたいことですね。今後も建設会社やデベロッパーとの関係を強め、当社製品の認知度を高め、海外輸出のチャンスも拾っていけるよう努めていきたいです。
フジナガの製品について、海外や国内同業他社の製品に比べ、強みだと思われるのはどういったところになりますか?
正直、製品に関しては大きな差別化というのは難しいと思っていて。例えば、防鳥ワイヤーのステイ(支柱や固定具)に関して言うと、他社製品であればシャフト(支柱部分)の直径が5ミリのところを、当社は 6ミリにして強度をアップさせるとか、対応できる穴の位置が多くワイヤーを様々な高さで施工できるので、足の長さの異なるさまざまな種類の鳥に対応できるとか、本当に細かいところでの差別化しかできないんです。でも、そういった差が大手建設会社の現場で生じる細かいニーズに応えられてきた部分であり、「フジナガの製品じゃないと」と評価いただいている部分だと自負しています。


細やかな対応が必要な現場では、より御社の製品がフィットしそうですね。
先ほどハワイの例もありましたが、国によってはさほど見た目を気にしない大雑把な対策が多いように感じています。それに比べ日本人は景観への意識も強いので、当社には極細で見えにくいネットのように美観を損ねないよう配慮した製品を多く揃えています。それに加え低コストを実現することで、海外でも十分に戦えるはずです。

海外展開におけるハードルとは
製品の輸出だけではなく、海外の現場で施工を行うこともありますか?
台湾に拠点があり、日本の大手ショッピングセンターが台湾に進出した際は、鳥除けの電気ショックを施工した実績があります。
ただ、フィリピンに製品を輸出した際もそうでしたが、輸出だけでも提出書類の準備がかなり大変なんです。日本であれば製品の材質と図面、施工方法を記載した書類を提出すれば施工許可が出ますが、国によっては材料のうち何の成分が何パーセント入っている、というようなかなり細かい情報を記載した書類を求められることもあり、現地での施工となるとさらに書類が膨大な量になる
ので、そこがハードルかなと感じています。それが対応できる体制になれば、世界での新たな挑戦も実現可能だと考えています。

今後の展望
海外展開に向け、今後もさまざまなアプローチを検討されているそうですね。
カタログやホームページの多言語化や、海外に向けた情報発信を推進するなど、広報サイドからの働きかけも検討されているようです。日本の大手建設会社の多くが東南アジアでの事業展開を進めていらっしゃいますので、そういった企業に対しても「フジナガは海外での対応も可能だ」とアピールできるような施策を強化していきたいですね。
社是である「鳥と人との共生」を追求し、これからも世界的な課題解決に対するソリューションを生み出すべく、社員一丸となって取り組んでまいります。
今後の展開が楽しみですね!ありがとうございました。