「マンションに引っ越したがベランダにハトが住み着かないか心配」「最近家の近所でハトの姿をよく見かける」など、ハト対策について気になっている方も多いのではないでしょうか。居住空間での鳥害は、糞害や騒音被害、健康被害など生活に大きな影響を与える可能性があるので、早めの対策が必須です。
今回は個人でハト対策をする上で抑えておきたいポイントや、被害レベルに応じたハト対策、おすすめアイテムについて、鳥害対策の専門業者の視点から紹介していきます。

個人でハト対策をする前に知っておきたいこと

たとえハトの被害で困っていたとしても、人間の身勝手でハトを傷つけていいわけがありません。日本には「鳥獣保護法」という法律があり、個人で鳥を殺傷・捕獲することは禁止されています。また、巣の中に卵やヒナがいる場合、勝手に巣を撤去することも禁じられています。
生態系を守る意味でも、「鳥と人との共生」を念頭に置いて対策を講じることが大切です。一番の対策は「鳥が自ら近寄ってこないような居心地の悪い環境を作ること」です。

ハトによる鳥害が起きやすい条件

まずはあなたの家がハトにとって巣を作りやすい環境かどうかを確認しましょう。ハトによる鳥害が起きやすい環境として、以下のような条件が考えられます。

  • エサ場や水飲み場となる公園や神社が近くにある
    ハトは植物の種や木の実を食べるので、植物に囲まれた公園や神社は絶好のエサ場です。もしハトにエサやりをしている人がいれば、群れをなして集まってくるでしょう。水道や用水路、川などが近くにある公園も多く水飲み場にもなります。特に都市部ではそのような場所は貴重なので、自宅付近に公園や神社があればハトによる鳥害が起きる危険性は高いといえます。
  • 食品関係の工場や製粉工場が近くにある
    ハトは穀物も好きなので、食品関係の工場や製粉工場の原料や製品を狙って集まる可能性があります。自宅周辺にそのような工場があれば、エサ場に向かう途中の立ち寄りスポットとしてハトが飛来する可能性は高くなります。
  • 高速道路など高架橋が近くにある
    高速道路の高架下や橋桁は、雨風をしのぐことができる上に、人も外敵も簡単には近づけず、ハトにとってはとても居心地のよい環境です。鉄鋼の構造は営巣に適しているので、住み着いてしまうことも少なくありません。例えば高架橋の近くに建つマンションの場合、高架下で営巣していたハトや、そこから巣立った子どものハトが近くにあるマンションのバルコニーに移動してくることも考えられます。
  • マンションとマンションが隣接している
    ハトは本来、外敵に狙われにくい断崖絶壁の崖や岩場で巣作りを行ってきた鳥です。マンションを崖に見立てているかどうかは定かではありませんが、都心部で巣作りをする場合、外敵から身を守りやすく雨風がしのげるマンションのベランダを好む傾向にあります。さらに隣のマンションとの距離が近く隣接していると周囲が囲まれている状態になるのでハトにとってはより安心できる環境といえるでしょう。
  • 屋上にソーラーパネルがある
    一軒家で圧倒的に被害にあいやすいのは屋根上にソーラーパネルがある家です。ソーラーパネルと屋根の間の隙間は、雨風がしのげて、カラスなどの天敵から身を隠せる絶好の場所となります。

自宅周辺の環境が上記に当てはまる場合はハトによる鳥害が起きやすいので、事前に対策をしておくことをおすすめします。

マンションでは被害レベルに応じた対策を

ハトは帰巣本能の強い鳥です。一度巣を作るとその場所に強く執着するので、巣を作られる前にハトを寄せ付けない対策がベストです。すでにハトが飛来しているのであれば「どのレベルの被害状況なのか」を把握し、それに応じた対策をしましょう。ここではマンションでの対策とおすすめアイテムについて紹介します。

01 初期段階

ハトがベランダの手すりに長時間止まっている、手すり周辺に少量の糞を目にするようになれば、初期段階です。おそらくその周辺にエサ場や水場があり、一旦止まる待機場所になっている可能性があります。この場合、「外敵であるトンビやカラスが近くにいないかを確認する」など、ベランダの外側にハトの目的があるので、ベランダ自体への執着心はあまり強くありません。

この段階であれば、100円ショップで売ってあるキラキラした鳥除けテープ、CD、カラスの置物など、見慣れない物を吊すなどして環境に変化を起こす程度でも一定の効果があります。

忌避剤を設置するのも効果的でしょう。
当社のBSバードジェルの主成分は植物エキス(食品添加物)と保湿剤(医薬品添加物)で鳥はもちろん、人や他の動物への悪影響はありません。鳥が嫌がる植物臭(嗅覚)、忌避剤の見た目による危機感(視覚)、ジェルが付着した時の不快感(触覚)、付着したジェルをくちばしで取る時の嫌な味(味覚)、4つの感覚において鳥が嫌悪感を抱くよう作られています。

BSバードジェル(防鳥忌避剤)

02 中期段階

ベランダの手すり周辺だけでなく、エアコンの室外機の周囲などベランダ内部に糞が増えてきたら、中級段階です。
羽休めする休憩場所としてベランダ自体に興味を持ち出し、この場所が安全か、居心地がいいか、巣を作れそうかを確認するため、中の様子をうかがっている段階です。日中に飛来するだけだったのが、夜も滞在するようになれば最終段階の一歩手前といえる状況です。

この段階では、手すりや室外機周辺への着地を物理的に防止するバードピンの設置が効果的です。
ボンドや結束バンドで固定することができ、女性でも扱いやすいことから、個人の対策としては一番メジャーな対策です。100円ショップやホームセンターでもバードピンは手に入りますが、樹脂製、ステンレス製など素材はさまざまです。雨風にさらされる場所での使用は劣化しやすいので、耐久性の高いステンレス製がおすすめです。

当社のバードピン(BF3バードピン)は、鳥を傷つけないピンの形状であることが特長です。針にはステンレス素材、土台部には樹脂を使用し、シンプルなデザインなので美観も損ねません。
劣化や悪環境にも強く、石材、木材、タイル、金属、コンクリートなど、さまざまな場所に設置することができ、ベランダ、室外機の周辺、出窓や窓の庇などに活用いただけます。

BF3バードピン スタンダード

バードワイヤーも同じく、物理的に着地できないようにする方法で、ベランダの手すりのようなパイプ状の場所に適しています。バードピンより効果は多少低くなりますが、見た目がすっきりしていることがメリットです。支柱を立て固定するタイプは少し設置が難しいので、DIYが得意な方におすすめです。

当社のBSバードワイヤーは、耐久・美観面を強化した、スマートで実用性の高い防鳥ワイヤーを取りそろえています。土台と支柱が溶接で一体になった当社オリジナルのT型のステイを使用するので、強度があり緩みにくいのが特徴です。

BSバードワイヤー 防鳥ワイヤー

03 最終段階

ハトが「ここは安心できる場所」と認識し、ベランダの室外機の下などに巣を作ってしまうと最終段階です。
一度巣を作ってしまうとその場所への執着心はかなり強くなっているので、個人での対策は難しいと言わざるを得ません。

対策としてはバードネット(防鳥ネット)を設置し、ベランダへの物理的な侵入を防ぐしかないでしょう。
個人でネットを貼ることも不可能ではありませんが、設置の仕方によっては風雨の影響でネットが外れたり、隙間ができたりするので、帰巣本能の高いハトに突破されてしまう可能性は高くなります。また、高所での設置作業は危険も伴いますので、プロに依頼することをおすすめします。

当社のBF3バードネットは、鳥の種類ごとに目幅が設計されているので、鳥が絡み傷つく事はありません。極細で軽いネットなの圧迫感もなく、美観を損ねません。
一般家庭のバルコニー用にボンドや結束バンドがセットになったものも販売しています。高所など施工を伴う場合でも、場所に応じて足場を組まない取付方法も選択できますので、設置コストを抑えることが可能です。

BF3バードネット(防鳥ネット)

一軒家での太陽光パネルの対策

一軒家の場合は、屋根上が被害にあうことが多く、初期段階で気付くことが難しくなります。ハトの鳴き声や足音が気になるようになる、屋根に留まるハトの数が増える、雨樋が羽や木くずで詰まりやすくなるなどの兆候がみられますが、「糞害や鳴き声に気づいた時にはすでに巣を作られていた」ということがほとんどです。

最近増えているのが、屋根上に設置されている太陽光パネルと瓦の隙間に巣を作られるケースです。わずかな隙間でも入り込んで巣を作るので、下の隙間に入らないようバードネット(防鳥ネット)を張り、物理的に侵入を阻止するしかありません。屋根の上の作業になり危険を伴いますので、プロに依頼しましょう。

ソーラーパネル設置後、被害が起きた後にバードネットの設置を当社が請け負う場合もありますが、安全管理上、どうしても施工金額が高くなってしまいます。最近はメーカーに材料を供給させていただき、パネル設置時に事前にバードネット対策を行ってもらうことが増えています。
ソーラーパネル設置を検討している方は、対策込みで設置できるメーカーを選ぶか、設置前に鳥害対策についてメーカーに相談するといいでしょう。それが1番費用的に安く済みます。

BF3バードネット(防鳥ネット)

個人でのハト対策は可能だが被害を未然に防ぐのがベスト

一度自宅にハトが巣を作ってしまい、被害レベルが深刻になればなるほど、個人で対策をしても効果が出にくく、解決するまでにかなりの時間と労力がかかることを覚悟する必要があります。
鳥害の起こりやすい条件を知り、自宅がそれに当てはまる場合は未然に予防し、もし被害が起こっても早めに対策を行うことが肝心です。

フジナガは、「鳥と人との共生」を社是とし、鳥を傷つけない鳥害対策アイテムの開発や、鳥の生態保全を前提とした鳥害対策の推進に取り組んでいます。
下記のようにマンション、集合住宅への鳥害対策実績も多数あります。

グローリアス豊田

ザ・クレストタワー熱海 (新築タワーマンション)

鳥害対策アイテムの中には個人で購入可能な製品もありますので、鳥害にお困りの際はぜひご相談下さい。