
高速道路の周辺では、鳥による巣作りや糞害などの被害が多く発生しています。特に高架下は、雨風を避けられ、外敵の目につきにくいため、ハトやカラスにとって格好の住処になりやすい場所です。鳥害を放置すると、構造物の汚損や劣化、景観の悪化、利用者の安全性低下につながるため、適切な対策が必要です。本記事では、高速道路高架における鳥害の実態と具体的な対策について、鳥害対策の専門業者の視点から詳しく解説します。
高速道路における鳥害対策の現状
近年、関東圏を中心に高速道路高架下の鳥害対策が増加しています。老朽化に伴う更新工事のタイミングで、鳥害対策が設計段階から組み込まれるケースが増えてきたためです。
元々は落下物防止を目的とした防球ネットの設置が一般的でしたが、近年では鳥の侵入を防ぐ防鳥ネットとしての役割も兼ねるようになっています。そのため、鳥害対策の知識を持つ業者が施工を請け負うケースも増え、従来は下方向のみネットを張っていたものが、近年では左右を囲い込み、鳥が入り込めない構造にする施工が増加しています。
また、従来は高架下にある歩道や公園、テナントなどに落下物が落ちないようにネットを張っていましたが、最近では人の利用がない箇所にもネットが施工され、鳥の侵入や巣作りを未然に防ぐ動きが広がっています。
一方、関西圏や地方では被害が顕在化してから対策する「事後対応」が中心です。しかし、設計・施工・管理に関わるゼネコンやインフラ事業者の意識向上により「鳥を住ませない環境を最初からつくる」という考え方が広がりつつあります。

高速道路で鳥害が発生しやすい理由
鳥が高速道路周辺を住処に選ぶ理由は、構造上の特性にあります。多くの高架橋では鉄骨の梁(H形鋼)が露出しており、下向きの「コの字」状の空間が形成されます。この形状は、上からも横からも見えにくく外敵に狙われる危険性が低いため、鳥にとって安心できる構造です。雨風をしのぐこともでき、安全で巣作りに最適な場所となっています。特にハトやカラスは地上から高さ30メートル圏内を生息域としているので、高速道路高架下はちょうどいい高さであると言えます。
また、都市部では、人の生活から食糧源なども得やすいため、鳥が集まりやすい環境です。点検の頻度もそう高くないため、一度巣ができると長期間放置されてしまうケースも少なくありません。
特に以下の箇所で鳥害が多く発生します。





⇒ハトの生態、習性についてはこちらでも詳しく解説しています。
高速道路での具体的な被害内容
鳥害で特に問題となるのが糞害による構造物の劣化です。特に、ハトの糞には強い酸性成分が含まれており、時間が経つとコンクリートや鉄骨の表面を傷め、塗装を剥がしたり、金属を腐食させたりします。その結果、構造物自体の耐久性を低下させてしまう可能性があります。
実際に、2021年に和歌山県で発生した水管橋崩落事故は、鳥の糞による構造部材の腐食が要因の一つではないかと指摘されました。この出来事をきっかけに、ゼネコンやインフラ事業者の間で「鳥害対策は構造物を守るために必要なもの」という意識が高まったと言えます。この事故の後はフジナガにも問い合わせが相次ぎました。

高速道路で効果的な鳥害対策
高速道路周辺の鳥害対策としては、鳥が止まりやすく巣を作りやすい場所にバードネットを設置し、物理的に鳥の侵入や滞留、営巣を防ぐ対策が最も有効です。高耐久素材の防鳥ネットを張り、巣作りや止まりやすい場所を物理的に封鎖します。特に、H鋼の下部と左右を囲い込み隙間をなくす「コの字型施工」は鳥の侵入を効果的に防ぎます。高架下を人が利用する場合は、落下防止用の強度を持つ防球ネットも併用し、安全面に配慮した施工を実施します。


抜群の耐久性と美観性に優れた新商品、オールステンレスのバードネットもおすすめです。

BF3バードネット オールステンレス50(オールステンレス防鳥ネット)
外灯や遮音壁の上部など、ネットが取り付けにくい場所にはバードピンを設置し、物理的に鳥の停滞を防止します。当社のバードピンは景観に溶け込みやすいステンレス製で、土台は高い耐久性と耐候性を誇る最高級グレードの樹脂「ポリカーボネート」製です。透明、アイボリー、ベージュ、赤茶、グレー、黒の6色展開で、設置場所に合わせて選べるため、美観を損なわずに鳥害対策が可能です。

新設時に鳥害対策を織り込む場合は、電気ショックを装置し、最初から鳥の寄り付き自体を防ぐ対策もおすすめです。

また、BF3バードネットと電気ショックは5年間の効果保証がついているのもポイントです。実施後に鳥の侵入、停滞などが確認された場合は無料で改善処置を行っています。
インフラ構造物への鳥害対策の現状と成功事例
前述の水管橋崩落事故の影響あって、インフラ構造物への鳥害対策は増加傾向にあります。フジナガが実際に施工したインフラ構造物への鳥害対策の成功事例をご紹介します。

他の既存の換気所でひどいハト被害が発生したことから、新築の換気所への施工をフジナガに依頼。点検頻度も低いとのことで、設備自体に鳥が寄りつかないように電気ショックを設置。

ハトの糞による構造物の腐食・劣化を防ぎ、構造物の耐久性を向上させるため、橋の下の全面的にネットを設
置。
インフラの長期維持の観点からも鳥害対策は重要
高速道路などのインフラは、30〜50年という長期維持管理が前提です。その中で、鳥害は見過ごされがちですが、構造自体の寿命に関わる重要なリスクといえます。
定期的な点検で鳥害の兆候を早期発見し被害拡大を防ぐことや、新設段階から「鳥が入り込まない構造にする」「防鳥ネットを標準仕様にする」といった対策導入が、安全性・耐久性の維持と、将来の補修コストを抑えることにつながります。
フジナガは、鳥害対策専門業者としての豊富な経験をもとに、対策したい鳥の大きさや種類、被害状況、建物の構造に合わせて最適な防鳥対策を提案いたします。高所作業や複雑な構造の建物でも、安全かつ、確実な施工が可能です。
また、アフターサービスとして設置後も定期的な点検やサポートを行っており、万一のトラブルにも迅速に対応し、より安全で効果的な鳥よけ環境の実現に努めています。まずはお気軽にご相談ください。
下記のようにインフラの長期維持を重視した鳥害対策実績も多数あります。
鳥害にお困りの際は、ぜひご相談ください。






