
近年、鳥害対策は単なる被害防止の枠を超え、建物の資産価値やブランドイメージを守るための重要な対策として認知度を高めています。鳥害対策の目的も変化し、2025年現在では「景観維持」と「コスト削減」という2つのキーワードがトレンドになりつつあります。
この記事では、建物別の鳥害傾向や対策目的の変化など、2025年の最新トレンドについて、鳥害対策専門企業であるフジナガの視点から詳しく解説します。
被害が発生してからでは遅い!新築時の事前対策が増加
従来は、鳥害が発生した後に対策を講じるのが一般的でしたが、近年では新築の建物で鳥害対策を事前に組み込むケースが増えています。特に関東圏でこの傾向が強く、徐々に全国的に広がりつつあります。
一方、関西圏では、対策費をシビアに考える傾向が依然として強く、「鳥が来るかどうか分からないうちは、被害が発生してから対策すれば良い」と考えるゼネコンや設計士も多いようです。
しかし、被害が発生した後に鳥害対策を行う場合、新築作業中であれば足場や作業車を他の工事と共有できますが、被害が発生してから追加で鳥害対策を行うとなると、そのための足場や作業車を別途用意する必要があり、単純にその分の工事費が増加します。
また、新築時に電気ショックや防鳥ワイヤーを設置しておけば、そもそも建物に鳥が寄り付かない可能性が高くなりますが、一度ハトに巣を作られてしまうと、電気ショックやワイヤーでは効果がなく、ネットしか選択肢がなくなるというデメリットもあります。
事前の対策は、単なるコスト削減だけでなく、より確実で多様な選択肢を確保するための予防策と言えるでしょう。



▼防鳥ワイヤーについてはこちらでも詳しく解説しています。
変化する鳥害対策の目的。景観・美観の保持を重視
アミューズメント施設や観光スポットなど、人が多く集まる施設から鳥害対策を依頼される際、これまでは「ハトの糞で車や商品が汚れることへのクレームを防ぎたい」という目的が主でした。しかし、最近では来場者の体験価値と施設ブランドの観点から、「糞害を未然に防いで、建物自体の景観・美観を保ちたい」という理由で設置されることが増えています。
特にホテルや結婚式場では、鳥害対策ネットの設置自体が景観を損なうとして敬遠される傾向がありましたが、現在では「糞で景観が損なわれるよりは、対策器具を設置した方が良い」という判断に変わってきています。これは、鳥害対策の認知度が大きく向上したことで、建物管理者が「汚れてから対処」するのではなく、「クリーンな空間を維持する」方向に意識が変化した結果であるといえます。
フジナガではこうした要望に応えるべく、美観を重視した防鳥アイテムの開発にも力を注いでいます。中でも、オールステンレス防鳥ネットは、建物の美観を損なわず、ハイクオリティ&スタイリッシュな外観に仕上がるため、美観を重視する建物や施設にオススメのアイテムです。劣化や錆にも強く耐久性に優れているだけでなく、火気がある場所でも使用する事が可能です。



▼下記のように美観を重視した鳥害対策実績も多数あります。
被害が増加している建物の特徴と対策
- 大型化する建物と立体駐車場での鳥害対策
近年の新築建物の傾向として、ホームセンターやショッピングセンター、物流倉庫など、平米数の大きい建物が増えたことが挙げられます。建物が大きくなると、対策が必要な面積も広がるため、対策工事一件あたりの単価が上昇するという変化につながっています。
特に鳥害対策の依頼が増加しているのが立体駐車場です。以前は側面にネットを張ることが多かったのですが、それでは入り口や屋上からの鳥の侵入を防ぎきれません。現在は、立体駐車場の天面にネットを張るケースが増加しています。天面対策は面積が大きく、何階層にもわたるためコストはかかりますが、鳥の侵入を確実に防ぐことができるため、この方法が主流になりつつあります。導入コストはかかっても防鳥効果が高いので、結果的にはコストパフォーマンスに優れた対策となるといえるでしょう。
▼ショッピングセンターの鳥害対策についてはこちらでも詳しく解説しています。
- 公共施設での鳥害対策
消防署や警察署、自治体の公共施設からの鳥害対策の依頼も近年非常に増えています。これらの対策は、大規模な改修や新築時に合わせて行われることが多い傾向にあります。
- マンション・集合住宅での鳥害対策
既存のマンションでは、大規模改修時にネットを併設するケースが多いですが、近年は修繕の周期が10年から15年に伸びていることもあり、大型工事の頻度は減少しています。特に都市圏ではタワーマンションの建設も増えていますが、意外にも高層階での鳥害は少ない傾向にあります。これは、ハトが巣を作るのが地上から20~30m付近、7階から10階あたりでの被害が最も多いためです。
業界全体の成熟とフジナガの販路の変化
鳥害対策が広く知られるようになったことで、対策を行う専門業者も増え、業界全体のマーケットが成熟しつつあります。日本の鳥害対策市場全体の売上が約80億から100億円と言われる中、フジナガの昨年の売上は25億円と、約4分の1のシェアを占めています。競合他社が増えることに対しては、むしろ市場の成長が加速するので、喜ばしいこと捉えています。
このような状況のなか、フジナガは販路を変化させています。ゼネコンやビルメンテナンス会社などからのBtoB事業に注力しており、特に新築の工場や倉庫への対策が増えています。
一般住宅などBtoC案件も引き続き受注はしていますが、高所作業のリスクを考慮して積極的には営業を行わない方針をとっています。その一方で、業者向けの材料販売に力を入れています。他の鳥害対策業者がフジナガ製品のネットやピンを購入して設置するケースが増えており、結果としてフジナガ製品の一般家庭への普及率は上がっています。電気工事店や看板店が、本業のついでに鳥害対策を行うケースも増えています。

フジナガ製品が選ばれる理由
フジナガの製品は品質の高さに加え、幅広いニーズに対応できるラインナップの豊富さが強みです。バードピン(剣山)ひとつをとっても、オールステンレス製から、土台が樹脂でピンがステンレスのスタンダードなもの、さらにオール樹脂製のものまで、予算や環境に合わせて選べる「松竹梅」の展開を持っています。



鳥害対策は「糞害を防ぐ」から「建物の価値を守る」時代へ
2025年の鳥害対策は、単なる糞害対策から、「建物の美観維持」や「被害を未然に防ぐ予防策」へと進化しています。特に大規模な新築物件や公共施設では、初期段階での対策が一般化し、コスト削減にもつながるという認識が広まりつつあります。
フジナガは、鳥害対策総合コンサルティング会社であるとともに、施工まで一貫して請け負う業界のリーディングカンパニーとして、市場の変化に柔軟に対応しながら業界のさらなる発展に貢献してまいります。
