「屋根やベランダにいつもハトがとまっている」「屋根の上からカラスの鳴き声がする」「2階にいると鳥の糞の匂いがする」・・・もしかしたら、知らない間に屋根に鳥が住み着いてしまっているかもしれません!屋根の上の鳥害は気付きにくいのが悩ましいところです。また、高所での作業は一般の方では難しいこともあり、放置している間に被害が広がってしまうかもしれません。屋根に巣を作られてしまったら、どのように対応したらいいのでしょうか?また、巣を作られないためにはどうしたらいいのでしょうか?被害が起きる前に「どこが被害に遭いやすいのか、どのような事前対策が有効なのか」をよく知っておくことが重要です!
今回は、屋根に鳥が巣を作る理由、作りやすい場所、屋根に有効な鳥害対策について解説します。

屋根のソーラーパネルに鳥が巣を作る被害が増加中!

近年、太陽光発電の普及に伴い、企業や工場だけでなく一般家庭の屋根にもソーラーパネルを設置することが増えました。そのため、ソーラーパネルと屋根の隙間にハトやスズメが巣を作ってしまうケースが多発しています。

ハトやスズメにとって、ソーラーパネルの下はカラスなどの天敵から身を隠せて、雨風がしのげる絶好の環境です。近くにあるケーブルラックなどで暖を取っているという説もあります。周囲に田んぼなどの餌場があると、より被害に遭いやすい傾向があります。

鳥が屋根に巣を作る理由。屋根や屋上のこんな場所が要注意!

そもそも、鳥が好んで巣作りするのはどういった場所なのでしょうか。

鳥の習性や本能から、以下のような条件が考えられます。

  • 下からの攻撃に遭わない高い場所
  • 外から見えにくい場所
  • 雨風をしのげる場所
  • ひな鳥が襲われないように外敵から守りやすい場所

ソーラーパネルの下もこの条件に当てはまります。その他、以下に挙げたように屋根周りには鳥が好む条件がたくさんあるのです。

  • 軒下
  • 雨樋
  • 屋根裏
  • 屋根上の室外機の下
  • マンションの高架水槽周り

家自体に人の気配がない空き家や、築年数が経ち劣化や破損で隙間ができた屋根は特に狙われやすいので要注意です。
また、巣を作るまではいきませんが、アンテナや換気フードの出っ張りは鳥が停留しやすい場所です。戸建て住宅であれば一時的で大きな被害にはならないことがほとんどですが、マンションなどは常習的に停留し糞害に発展することがあります。一度鳥に「居心地の良い場所」と認定されると、巣を作る可能性もありますので、そうなる前の対策をおすすめします。

意外な場所でいうと、シート防水を行っている屋上も注意が必要です。

なんと、カラスがシートを突いて破損させ、巣の材料として持っていくことがあるのです。カラスは防水シート以外にも、鉄骨などに吹付ける耐火被覆材のロックウール(粒状綿)など、保温性、防水性の高い素材を覚え、巣づくりに活用するために持ち去ることがあります。さらには外壁塗装の目地を突いて遊ぶなど、頭の良いカラスならではの被害が発生します。

カラスの被害はこちらでも詳しく紹介しています

屋根にできた巣を放置してはいけない理由

屋根にできた巣を放置していたら、どのような被害が起きるのでしょうか。まず、ソーラーパネルの下に巣があると、鳥の羽や糞などがソーラーパネルの機器内部に入り込み、故障につながる恐れがあります。また、パネルが糞で汚れたり、配線ケーブルを突いたりすると発電効率低下の原因にもなります。

その他、糞で建物を腐食・劣化させる、鳴き声や羽音による騒音被害、鳥の糞による悪臭被害、壁に糞が付いたり羽などのゴミが増えたりする景観被害など、さまざまな被害が生じます。
また、野生の鳥は、ダニやノミが寄生していることがあり、鳥の巣にもダニやノミが潜んでいる場合があります。それらが人やペットに移ることもあるので注意が必要です。アレルギーの原因となったり、ハトが持つウイルスによる感染症にかかったりと、深刻な健康被害を及ぼすこともあります。

健康被害についてはこちらでも詳しく解説しています

屋根にある鳥の巣は撤去できる?

鳥の巣の中にまだ卵やひな鳥がいる場合、勝手に取り除くことは法律で禁止されています。環境省の鳥獣保護管理法で定められており、違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
鳥の巣を発見しても、状況を確認し、卵やひながいる場合は巣立ちを待ちましょう。もし生活に支障をきたすなど、どうしても取り除かなければならない状況になった場合は、市区町村や県に相談して許可を得る必要があります。
高所での作業は危険が伴う上に、ダニや菌などがいる巣の撤去、後始末、消毒などは衛生面の管理も大変なので、専門業者に依頼するのが安心です。

また、ひなが巣立ったからといって巣を放置しておくと、次の繁殖期にまた戻ってくる可能性が高くなります。巣が2、3個の軒下に連なるような「コロニー」を形成することも少なくありません。発見次第、早めに対策するのがいいでしょう。巣の残骸のみであれば、許可は不要で、一般の方でも撤去可能ですが、こちらも安全面・衛生面の理由から専門業者への依頼をおすすめします。
当社は、鳥害対策の施工に伴う場合に限り、卵やひながいない巣の残骸の撤去が可能です。(※巣の残骸の撤去のみは対応しておりません)

屋根に有効な鳥害対策とは?

ソーラーパネル、室外機、マンションの高架水槽周りの対策は、下の隙間に入らないようバードネット(防鳥ネット)を張り、物理的に侵入を防止するのが一番です。
屋根は被害が分かりにくく、被害後の対策は高所作業にもなり業者に頼むと費用が高くなります。
特に、ソーラーパネルに関しては、事前の設置時に一緒にバードネット(防鳥ネット)を設置するのがベストです。近年はソーラーパネルのメーカー側も鳥害の多発を把握し、最初から鳥害対策を組み込んでいるケースが増えてきました。

最初から対策込みで設置できるメーカーを選ぶか、設置前に鳥害対策についてメーカーに相談するといいでしょう。それが1番費用的にも安く済みます。
当社が施工する場合もありますが、安全管理上、施工金額が高くなってしまう場合が多いので、メーカーに材料を供給させていただき、パネル設置時に対策を織り込んでもらうようにしています。

BF3バードネット(防鳥ネット)

防鳥ネット以外の対策として、一番効果的なのは電気ショックです。しかし導入にはコストがかかるので一般的ではなく、ビルや工場、倉庫など大きな建物での設置がほとんどです。

BF3鳥類用電気ショック

フジナガの保証

被害後に対策しても、いたちごっこ!?事前対策が大事!

屋根や屋上の鳥害は、放っておいて収まることはまずありません。対策が遅ければ遅いほど、対処は大変になります。
特にハトは執着心が強いので、巣を撤去しても何度も同じ場所で卵を産み続け、いたちごっことなってしまうことも少なくありません。

防鳥ネットなどで対策し、入れないようにしてもハトは諦めずに毎日様子を見に来ることがあります。経験上、完全に入れなくなって3か月から半年ぐらいは、周辺で観察を続けている印象があります。そのため、敷地が広い工場や倉庫、建屋が大きい学校や病院の場合、その建物の別の場所で被害が発生することも多々あります。ですから、被害が起きる前の対策がとても重要なのです。

ソーラーパネルの普及など人社会の変化に伴い、鳥の行動も変化していきます。
鳥が好む環境を人が作り出すからこそ、鳥はそこに住みつきます。それは鳥の本能なので、鳥が好む環境を変える工夫が大切です。
フジナガの鳥害対策には「鳥が住むスペースと人が生活するスペースとの住み分け」という考えがベースにはあります。これからもフジナガでは、鳥も人もお互いが住み良いようサポートを続けてまいります。