
都市インフラを支える橋梁は、鳥害による衛生・構造被害が深刻化しやすい場所です。特に歩道橋や高架道路、跨線橋など、人通りの多い橋梁構造物では、鳥害対策の重要性が年々高まっています。
本記事では、橋梁における鳥害の実態と具体的な対策について、鳥害対策の専門業者の視点から詳しく解説します。
橋梁での鳥害対策が必要な理由
橋や歩道橋、高架道路などの橋梁構造物における鳥害は、以下のような問題を引き起こす可能性があるため、鳥害対策が必要です。
- 鳥の糞による構造物へのダメージと安全性の低下
ハトの糞は酸性が強く、橋梁の鉄骨やコンクリートの塗膜を劣化させ、腐食や錆びの進行を早めます。実際に、和歌山の水道橋では、水鳥の糞による腐食が原因で橋が破断し、断水事故に発展した事例もありました。こうした腐食は、橋の耐久性や安全性を大きく損なうだけでなく、塗膜や部材の剥落による二次災害を引き起こしかねません。
- 衛生・美観の悪化
橋梁やその下に糞が堆積すると、悪臭を発生させ、美観を損ねます。また、糞が乾燥して粉末状になると風に舞い、呼吸器系疾患や感染症といった健康被害をもたらす恐れがあります。特に歩道橋やペデストリアンデッキなど人通りの多い場所では、衛生面での対策が必須です。


- 維持管理コストの増大
鳥害が発生すると、糞の清掃費用、腐食した鉄骨や部材の交換、再設置といった修繕費用など、多額の維持管理コストが発生する可能性があります。加えて、落下事故など二次災害が起きた場合の賠償リスクも無視できません。
橋梁における鳥害対策の現状
橋梁の維持管理は国や自治体、高速道路会社など管理主体によって異なり、統一的なガイドラインや規制は現在のところありません。しかし、都市高速道路などでは、鳥の侵入防止だけでなく、振動や経年劣化で塗膜の落下物防止の観点から、ネットの設置が標準的な対策となっています。業界内では事実上の標準化が進んでおり、今後さらにガイドライン化や対策の強化が進むとみられます。
「橋」と聞くと川に架かる橋をイメージすると思いますが、そこに鳥が集まったとしても糞が川や河川敷に落ちるだけなので、さほど実害は生じません。対策が必要になるのは、歩道橋、高架道路といった、人の往来が多い橋梁構造物です。特に当社での対策が多いのは、「跨線橋(こせんきょう)」呼ばれる、鉄道線路を跨ぐ橋です。
また、これも橋の一種と言えますが、駅前広場と歩道橋を高架化させた「ペデストリアンデッキ」への対策も近年増えています。

橋梁で鳥害が発生しやすい箇所

橋梁構造物は、構造が複雑で雨風をしのぐことができ、外敵から身を守りやすく、鳥にとって営巣に最適な場所と言えます。また、川に架かる橋は河川敷や公園など近くの餌場への待機場所にもなります。
特に以下の箇所で鳥害が多く発生します。





橋梁における効果的な鳥害対策法と、フジナガが誇る防鳥アイテム
橋梁の鳥害対策としては、鳥が止まりやすく巣を作りやすい場所にバードネットを設置し、物理的に鳥の侵入や滞留を防ぐ対策が最も有効です。ネットは耐久性の高い素材を選ぶことが重要です。
当社のBF3バードネットは、特殊取付具を使用することで取付先を選びません。隙間無く取付られるので、クリーンな空間を確保でき、頑固な鳥も確実に撃退します。

抜群の耐久性と美観性に優れた新商品、オールステンレスのバードネットもおすすめです。

外灯や遮音壁、配管、電気設備の上部など、ネット設置が難しい場所にはバードピンが最適です。当社のバードピンはカラーバリエーションや素材が豊富です。ピンの部分がステンレス製で設置しても目立ちにくいのが特徴です。土台は耐久・耐候性に優れた最高級グレードの樹脂「ポリカーボネート」製で、透明、アイボリー、ベージュ、赤茶、グレー、黒の6色をご用意。設置場所の色に合わせることで美観を維持することが可能です。

また、BF3バードネットは5年間の効果保証がついているのもポイントです。実施後に鳥の侵入、停滞などが確認された場合は無料で改善処置を行っています。
近年は超音波やLEDライトなど、音や光を利用した鳥害対策も試みられていますが、鳥がすぐに慣れてしまうことや、都市部や生活圏に近い橋梁では騒音や光害によるクレームが発生するリスクもあり橋梁への適用は難しいのが現状です。フジナガでは将来的に鳥感センサーやGPSなど最先端技術の導入も視野に入れ、研究開発を進めています。

橋梁で鳥害を防いだ成功事例
近年では、大阪梅田のペデストリアンデッキや、阪神百貨店周辺の歩道橋のリニューアル工事の際にバードネットを導入し、歩行者への糞害の減少が報告されています。また、首都高速道路でもネットの張替えや隙間対策を徹底することで、鳥の侵入を完全に防ぐことに成功しています。

橋梁の安全性を重視した総合的な対策が重要
橋や歩道橋、高架道路などの大規模な橋梁構造物への対策は、鉄骨やアスファルトの厚さ、振動、1日の交通量といったデータや、修繕工事のスパンなども考慮する必要があります。ネットで塗膜片の脱落やポルトの脱落も防止しつつ、鳥の侵入を防止をするといった総合的な対策が重要です。都市の美観と衛生、安心を守るため、橋梁の鳥害対策は今後も継続的な取り組みが求められます。
フジナガでは、美観や安全面に配慮した施工経験が豊富な鳥害対策プランナーが、現地調査の上、現場の状況や条件にあったプランをご提案し、お客様の鳥害対策へのご理解とご安心をサポートさせていただきます。施工方法・資材への疑問や不安をお持ちの方はお気軽にご相談下さい。