空中を悠然と舞う鳥の姿や鳥のさえずりは、大自然の中であれば癒しを与えてくれるものですが、それが職場で起こってしまうと、どうしても「悩ましい鳥害」と感じざるを得ません。
ハトなどの鳥害が起こりやすい代表的な職場が、倉庫です。倉庫の天井や庇は、鉄骨やシャッターボックス上部など、雨風がしのげる場所が無数にあり、巣を作るにはかなりの優良物件と言えます。しかし、倉庫での鳥害は、糞や羽毛の異物混入、害虫発生、外装破損など、甚大な被害に繋がる可能性があり、見逃せない問題です。
今回は倉庫で起こりやすい鳥害被害や気をつけるべき場所、その対策について解説します。

倉庫の鳥害対策が必要な理由

倉庫での鳥害と言えば何を思い浮かべますか?
大量の糞による美観被害や、衛生上の問題はもちろんですが、さらには、糞や羽毛の異物混入、害虫発生、外装破損などを引き起こす可能性があります。
特に、食品や通販商品など、さまざまな商品の物流を支える倉庫では、配送品質の評価が売り上げや信頼に直結します。もし糞が付着していることに気づかず梱包してしまうと、納品先からのクレームなど大きなトラブルに発展する危険性も…!
また、鳥の糞の被害は、倉庫で働く人への健康被害に発展する可能性もあります。

鳥の糞がどういった病気を引き起こす可能性があるかは今後詳しくまとめた記事で紹介していきます。
鳥獣保護法により簡単に捕獲も出来ないので、倉庫に一度住みつかれてしまうと、解決するのにかなりの労力とコストがかかってしまいます。
そのため、商品や従業員、それを抱える企業が大ダメージを被る前に、被害の起こりやすい所を未然に予防・対策し、鳥を寄せ付けない対策が不可欠なのです。

倉庫の内外で被害を出す鳥の種類とその被害の一例

「鳥と人との共生」をめざしている弊社としては、あまり鳥の悪口は言いたくありませんが(笑)、鳥害が起こる前に正しく対策していただくためにも、倉庫でトラブルを起こしがちな鳥と、その被害の一例をご紹介します。

野鳥全般

  • 巣や鳥が止まる場所の下が糞で汚れる
  • 商品や荷物が糞で汚れ商品価値がなくなる
  • 糞や羽毛が荷物に混入しクレームに発展
  • 鳥の糞を好むゴキブリなどの害虫が発生、繁殖
  • 掃除など被害への対応に人的コストがかかる

ハト

  • 酸性の糞が長期的に金属部分にかかり変色や腐食を引き起こし、鉄骨崩落事故のきっかけに
  • 糞が原因となり従業員が病気に感染

カラス

  • 段ボールを突き商品を引っ張り出す
  • ゴミや虫を段ボールの隙間に隠す

スズメ

  • 商品であるペットフードの袋を突いて中身を食べてしまう

倉庫に侵入するまでの鳥の行動パターン

新しい建物を見つけた際の鳥の行動にはパターンがあります。「安全か、居心地がいいか、巣を作れそうか」を確認するため、まずは、隣の建物や電線に止まり様子をうかがいます。
「外敵がいない、近づいても良さそうだ」と判断しても、すぐ中には入りません。まずは何かあってもすぐ外に逃げられる、1番外側に近いシャッターボックスなどに待機し、奥の様子をうかがいます。そうやって安全を確認しながら、徐々に建物の内部に侵入してくるのです。

この行動パターンをもとに考えられる対策は、まず建物の1番外側の待機場所になりそうなところに、剣山(バードピン)を設置して止まらせないようにするのがひとつです。そして、内部につながる通路にバードネット(防鳥ネット)を設置し、中の様子をうかがわせないよう、侵入させないようにする、この2つの対策が有効です。

倉庫の中で鳥害被害に遭いやすい場所とそれぞれの対応策

雨風がしのげる場所が無数にあり、鳥にとっての優良物件である倉庫の中でも、特に鳥が好む場所、被害に遭いやすい場所があります。気をつけるべきポイントとその対策について解説します。

01 シャッターボックス上部

その場所が安全かどうかを確認するため、鳥が待機する場所として好むのは、出入口のシャッターボックスの上です。高い位置にあり、中の様子もうかがえ、すぐに逃げられる、鳥にとっては格好の場所です。平らでほどよい面積があり、巣を作るのにちょうどいい場所でもあります。
ここに飛来、待機されないよう剣山のバードピンを敷き詰めておくとよいでしょう。

当社のバードピン(BF3バードピン)は、鳥を傷つけないピンの形状をしています。針にはステンレス素材、土台部には樹脂を使用し、美観を損ねないシンプルなデザインも特徴です。劣化や悪環境にも強く、石材、木材、タイル、金属、コンクリートなど、さまざまな場所に設置することができますので、倉庫のいたる場所に活用いただけます。

BF3バードピン スタンダード

BF3バードピン(オールステンレススリム)

02 トラックの車路とトラックバース

物流倉庫でいうと、1番鳥が侵入しやすいのは大型トラックなどが通る車路と、トラックが中に入って荷物の搬入、搬出をするトラックバースになります。
そこから中に侵入させないよう、バードネットを設置するのが一番メジャーな対策です。
鳥害が起きてからでも設置はできますが、防鳥を目的として倉庫の設計・建設の段階でバードネットの設置を組み込んでおけば、かなり高い効果を発揮します。

当社のBF3バードネットは、鳥の大きさに合わせて目幅の設計をしており、鳥が絡む事がないよう工夫された、鳥にやさしいネットです。極細で軽いので圧迫感もなく、開口部などに張っても美観を損ねません。また、特殊な取付具を使用することでさまざまな場所に隙間無く取り付けられるので、頑固な鳥も確実に撃退することができます。

BF3バードネット(防鳥ネット)

また、BF3バードネットは5年間の効果保証がついているのもポイントです。実施後に鳥の侵入、停滞などが確認された場合は無料で改善処置を行っています。

フジナガの保証

倉庫では、防火対策も重要です。BF3バードネットには火災時にも燃え広がりにくい難燃剤が混合されていますが、さらに優れた耐久・耐火性を持つ防炎バードネットは、防災上の問題も解決でき、倉庫での使用に最適です。また、開口部をファスナー仕様にすることで、緊急時でもスムーズな開閉が可能です。

BS防炎バードネット(防炎防鳥ネット)

他にも、強度や耐久性が強く強風・積雪など厳しい環境に適したタイプ、オールステンレスで劣化や錆に強いタイプなど、さまざま種類を取り揃えています。

PEバードネット Archives

BF3バードネット オールステンレス50(オールステンレス防鳥ネット)

03 倉庫内部の天井の梁、ケーブルラック、配管ダクトの上

倉庫は天井が高く、H形鋼の梁が縦横に張り巡らされているため、羽休めや営巣しやすい格好の場所といえます。ケーブルラックや配管ダクトの上も被害の多い場所です。
例え鳥の侵入を許したとしても止まることができないよう、バードネットや剣山(バードピン)や忌避剤(バードジェル)の塗布で対策しておきましょう。
高所での作業は慣れない人が行うと危険です。プロに依頼して、より効果的な設置や塗布をしてもらうとよいでしょう。

当社のBSバードジェルの主成分は植物エキス(食品添加物)と保湿剤(医薬品添加物)で鳥はもちろん、人や他の動物への悪影響はありません。目立たない半透明のジェルで、黒くなりにくく、200℃の高温でも流出することがないので、倉庫で使用する際も安心です。

BSバードジェル(防鳥忌避剤)

04 屋上

鳥には、その地域で一番高いところに止まり周囲を見渡し、営巣やねぐらに良さそうな安全な場所がないか様子見をする習性があります。その最初の安全確認の場所として、倉庫の屋上はもってこいの場所です。人間がほぼ来ることがないので、屋上自体に巣を作られる可能性もあります。まず屋上の外周に止まらせない、様子見自体をさせないことが防鳥では重要です。
「屋上全体に対策すべきでは?」と思われるかもしれせんが、特にハトなどは外周に止まれなくなると、周囲の安全確認ができず、落ち着かない場所になってしまうので、屋上外周の対策だけでも十分効果的です。

バードワイヤーは見た目がすっきりしていて、屋上外周のように設置が長い距離になる場合、コストパフォーマンスが高くなるのでおすすめです。当社のBSバードワイヤーは土台と支柱が溶接で一体になった当社オリジナルのT型のステイを使用しており、強度があり緩みにくいので、屋上など雨風にさらされる場所でも維持しやすいのが特徴です。

BSバードワイヤー 防鳥ワイヤー

また、予算が許すならば、微弱な電気ショックで鳥に「危険な場所」と認識させ、まず近寄らせないことが防鳥として一番ベストです。
BF3鳥類用電気ショックは5年間の効果保証、製品保証、メンテナンス保証の対象なので、安心して長期的にご使用いただけます。

BF3鳥類用電気ショック

フジナガの保証

倉庫も設計段階からの鳥害対策折り込みがおすすめ

大事な製品を取り扱う倉庫では、鳥害が起きてしまってからでは手遅れになる場合もありますので、設計・建設段階から防鳥を目的とした製品を折り込むのがベストです。
フジナガは、「鳥と人との共生」を社是とし、鳥を傷つけない鳥害対策アイテムの開発や、鳥の生態保全を前提とした鳥害対策の推進に取り組んでいます。

効果保証がついた製品もありますので、長期的な鳥害対策が可能です。
また、設計、コンサルティングまで、鳥害対策を総合的にサポートしており、設計に必要な資料・図面・資材なども多く取り揃えております。施工方法・資材・コストに関する疑問や不安があれば、お気軽にご相談下さい。